抄録
弾性線維性仮性黄色腫の25歳の女性で,狭心症と高血圧の精査を目的に冠動脈造影と腎動脈造影を施行した.幼児期から労作時に胸部圧迫感が生じ,高血圧を指摘されていた.中学生の頃から頸部,腋窩,下腹部に皮疹が出現した.心電図では運動負荷後にI,II,III,aVF,V3からV6誘導で著明なSTの低下がみられた.冠動脈造影では左前下行枝と回旋枝が閉塞していたが,右冠動脈から良好な側副血行路が発達しており,左室の壁運動は正常であった.左冠動脈の末梢に数個の動脈瘤がみられ,腎動脈の宋梢にも動脈瘤が多数みられた.今まで血管造影を施行した症例の報告は少なく,合併症として冠動脈瘤や腎動脈瘤がみられたのは他に1例のみである.冠動脈閉塞の原因として動脈瘤の関与が,高血圧の原因として腎動脈瘤による腎血管性高血圧が考えられた.