心臓
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研究会 第22回 河口湖心臓討論会 心筋疾患と免疫 心筋炎の発症病理および治療に関する実験的研究
松森 昭河合 忠一
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1989 年 21 巻 4 号 p. 509-521

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抄録
我々の開発した実験モデルは,高度の心筋炎が高頻度に発症する利点があり,ウイルス性心筋炎およびその後に発症する拡張型心筋症類似の病変に対する予防・治療法を検討するのに有用である.この実験モデルでは特異抗体を含む抗血清やワクチン投与により心筋炎の予防が可能であることが明らかとなり,特定のウイルス感染の流行時には試みられるべき療法であると思われる.また抗ウイルス剤ribavirinやアルファ・インターフェロンがウイルス性心筋炎に有効であることが明らかとなり,今後ウイルス性心筋炎の治療に応用できる日も近いと思われる.一方,本モデルでは,ステロイドおよび免疫抑制剤cyclosporineは急性期の投与ではウイルス性心筋炎を悪化させることが明らかとなった.
今後,本実験モデルを用いて,ウイルス性心筋炎およびその後に発症する拡張型心筋症類似の病変の発症病理,特にウイルス感染に対する免疫応答性の検討や,心筋炎遷延化の機構の解明を試みることにより,その予防,治療の道を探りたいと考えている.
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