心臓
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臨床 研究 原因不明の失神患者における心臓電気生理学検査の有用性と限界
野上 昭彦安部 慎治飯泉 智弘椎貝 達夫青沼 和隆家坂 義人高橋 淳新田 順一全 栄和古川 哲史谷口 興一丸茂 文昭
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1990 年 22 巻 3 号 p. 258-264

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抄録
原因不明の失神患者における心臓電気生理学検査(EPS)の有用性と限界を検討した.脳波・脳CT・ホルター心電図・運動負荷心電図にても異常のない原因不明の失神患者16例(男9例,女7例,平均年齢60歳)にEPSを施行した.16例中11例(69%)に以下のようなEPS上の異常が認められた.洞機能不全3例,ヒス束内ブロック2例,ヒス束下ブロック1例,洞機能不全とヒス束下ブロックの合併1例,洞結節回帰性頻拍1例,頻脈性心房細動1例,非持続型心室頻拍2例、徐脈性不整脈に対しては全例ペースメーカーを植え込み,頻拍性不整脈に対してはEPS上有効と判定された薬剤を経口投与した.平均20カ月の経過観察中,EPS異常群では失神発作は消失したが,EPS正常群では2例(40%)に失神発作の再発を認めた.原因不明の失神患者の約2/3の症例でその原因と考えられる電気生理学的異常がEPSで明らかとなり,治療の決定に有効であった.
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