若年者における突然死の死因および危険因子を明らかにする目的で,沖縄県で死亡した15歳以上30歳未満の内因性急死8例(男7名,女1名)の死亡状況,病歴,死因,危険因子および剖検所見等について検討した.病歴や既往歴等には特記すべきことがなかった.死亡状況は睡眠中が4例,運動中が3例,入浴中が1例であり,すべて数分以内の急死と考えられた.組織学的検査の結果,1例が肥大型心筋症,2例が虚血性心不全と診断され,さらに他の3例も致死的な病理所見は欠くものの死亡状況等から心臓性突然死の可能性が強く示唆された.一方これら8例中4例に心肥大が認められ,その中には運動負荷に伴う冠循環障害の関与が示唆される症例も認められた.今後は予防医学的見地と病理検索の両面からの対策がきわめて重要な課題であると考えられた.