1993 年 25 巻 12 号 p. 1412-1416
23歳,女性の大動脈縮窄症(Co/Ao)に対し血管拡張用バルーンカテーテルを用いた拡張術(BDA)を行い,良好な結果を得た.縮窄部前後の収縮期圧較差は,施行前90mmHgであったのに対し,施行後1mmHgであり,BDA後4日で患者は退院できた.BDA施行中に,短期間の胸背部痛を認めたが大動脈造影および臨床上の問題は全くなく,6カ月を経過した現在元気に日常生活を送っている.成人Co/Aoに対するBDA療法は小児例と同様,慎重な症例の選択と手技を行えば極めて有用であると考えられた.