1994 年 26 巻 Supplement1 号 p. 125-130
目的:Tlの安静時血流画像とBMIPPの脂肪酸代謝画像の比較による心筋viability評価の可能性を検討した.
方法:心筋梗塞の既往のある患者10名に安静時TlおよびBMIPPイメージング,また絶食下にFDG-PETを施行.左室心筋を7区域に分割しTl/BMIPP間の所見の乖離の有無とFDG集積との関係を検討した.
結果:TIで虚血を示す33区域中,BMIPP/Tl間の乖離(BMIPP集積がTl集積に比し低下)の見られた8区域中7区域(88%)にFDG集積が見られたのに対し,乖離の見られなかった25区域では5区域(20%)にFDG集積が見られたのみであった.
結語:Tl/BMIPP間で乖離を示す心筋区域は,FDG集積を示す心筋区域とよく一致し,viableな虚血心筋であると考えられる.これらの心筋区域でのBMIPPの集積の低下は,虚血心筋における代謝基質の脂肪酸から糖への移行を反映するものではないかと推測される.