心臓
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研究会 第14回 心臓核医学研究会 123I-MIBG,201TlCl SPECT法によるacute coronary syndromesにおける虚血心筋の評価
友田 春夫滝川 修森本 浩司藤田 有希美岩本 智超多田 博己小熊 俊明臼井 和胤椎名 豊吉岡 公一郎布施川 雄一田川 隆介井出 満鈴木 豊
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1994 年 26 巻 Supplement1 号 p. 139-145

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抄録

不安定狭心症,非貫壁性心筋梗塞を主とする,acute coronary syndromes例における虚血心筋の評価を,123I-MIBG,201TlClSPECT法にて試みた.123I-MIBG 111 MBq(3mCi)静脈内投与90分後より心筋SPECT像を撮像後,引き続き201TICIを投与15分後より心筋灌流SPECT像を撮像した.冠動脈造影は1週間内に施行した.非貫壁性心筋梗塞症例7例の内,201TlClによる心筋灌流低下一欠損部位を特定できない3症例においても,123I-MIBG心筋像では全例責任冠動脈領域の欠損像を描出し得た.不安定狭心症例にて,6例中3例においては,血清酵素の逸脱所見を認めず,かつ201TlClによる心筋灌流正常所見であっても,123I-MIBG心筋像では,責任冠動脈領域の明確な欠損像を描出し得た.
以上のように,123I-MIBG心筋像により,他の方法で捉えられない,過去数週以上の虚血発症部位が描出されることが示された.

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