心臓
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第9回心臓性急死研究会 自律神経活動の概日リズムよりみた突然死2例の検討
井上 省三鼠尾 祥三斉藤 靖浩田中 淳二神山 憲王末綱 竜士河原 洋介寒川 昌信沢山 俊民
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1997 年 29 巻 Supplement5 号 p. 80-84

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抄録
複数回のホルター心電図施行後に突然死した心不全2例の心拍変動解析結果をもとに,LFとHFの概日リズムの指標を求め,それらの経時的変化を検討した.【症例1】患者:65歳男性,診断:大動脈狭窄症兼閉鎖不全.現病歴:労作時息切れのため1995年11月2日近医に入院,11月21日精査目的で川崎医大に転院した.転院時肺うっ血は消失しNYHA II度であった.12月7日突然死した.【症例2】患者:63歳男性,診断:陳旧性心筋梗塞・心室頻拍.現病歴:1994年7月2日動悸の精査目的で入院,9月10日退院した.1995年2月8日突然死した.【概日リズム指標の変化】症例1:突然死前,HFの概日リズムは存在したが,LFの概日リズムは消失した.症例2:HFの概日リズムは,入院中見られなかったが,突然死前には見られ,LFの周期が延長:した.【まとめ】突然死とLFの概日リズムの関連は重要視すべきと思われた.
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