心臓
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研究 冠動脈起始異常の診断におけるヘリカルCT血管造影法の有用性
冠動脈造影法との対比
篠崎 仁史近藤 武石川 恵美子木下 雅盟皿井 正義成瀬 寛之松葉 玲元山 貞子伊藤 幹弥徳田 衛古田 敏也黒川 洋菱田 仁渡邉 佳彦安野 泰史古賀 佑彦児玉 光史岡村 正博
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1998 年 30 巻 7 号 p. 442-449

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抄録

近年,ヘリカルCTの登場や画像再構成法などの進歩により,比較的簡単に,かつ極めて正確に生体の解剖学的情報を画像化できるようになってきた.しかし,心・大血管系および冠動脈においては,他の臓器に比べて心拍動によるモーション・アーチファクトのため従来のヘリカルCTでは鮮明な画像を得ることは困難であった.今回,当大学で開発した心電図同期拡張期画像再構成法を併用したヘリカルCT(ヘリカルCT血管造影法)の冠動脈起始異常の診断における有用性について冠動脈造影法と比較検討した.
その結果,冠動脈造影で明瞭でなかった異常冠動脈の走行や肺動脈,大動脈の形態および位置関係をヘリカルCT血管造影法により非侵襲的に明瞭に描出でき,冠動脈起始異常の診断に有用であると考えられた.

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