1999 年 31 巻 7 号 p. 547-555
平均4.1カ月後の確認造影にて再狭窄を認めず,3年以上経過観察後に追跡冠動脈造影を施行し得た症例を対象としPTCA後の自然歴と長期予後について検討を加えた.PTCA施行血管での新規病変発生は2.3%であるのに対し,非施行血管では14.5%と有意(p<0.01)に高く,再狭窄を免れた病変は長期にわたり良好な開存性を有することが確認された.新規病変はacute coronary syndromeや造影上intimal disruptionを認め,粥腫崩壊や血栓形成がcardiac event発生につながる可能性もあり,十分な内科管理が重要と考えられた.