心臓
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臨床 右側副伝導路アブレーションにおける逆伝導指標に基づく心室ペーシング下高周波通電法の有効性
伊達 太郎家坂 義人高橋 淳合屋 雅彦塗木 徳人雨宮 浩田中 千博後藤 昌計藤原 秀臣廣江 道昭丸茂 文昭平岡 昌和
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2000 年 32 巻 3 号 p. 202-208

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抄録
右側副伝導路(R-ACP)に対して,逆伝導指標に基づいた心室ペーシング時通電(VM)を行い,順行伝導指標に基づいた洞調律時通電法(SM)と比較した.室房伝導を有する右側顕性副伝導路症候群29例に,下大静脈からの弁上アプローチによりSM(15例)またはVM(14例)を用いカテーテルアブレーションを施行した.成功率はVMがSMよりも高く(100%vs93%),再発率はSMがVMより高値であり(14%vsO%),不成功例・再発例は全例SMであった.通電回数はVMがSMに比し有意に少なかった(2.6回vs6.0回,p<0.05).初回通電成功率はVMがSMに比し有意に高値であった(57%vs20%,p<0.05).カテーテル固定性の指標として求めた局所心房波(A波)高/局所心室波(V波)高比およびA波高の最大値と最小値の比A/V-D,A-DはともにVMがSMに比し有意に低値であった(139±21%vs267±196%,139±29%vs232±121%,p<0.05).R-ACPに対するVMのより高い有効性が示され,その要因はVMがR-ACP心房付着点のより正確な同定と通電時の良好なカテーテル固定を可能にすることにあると考えられた.
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