2002 年 34 巻 10 号 p. 797-801
Eisenmenger症候群の女性は,高い死亡率のため,妊娠分娩は避けるべきである.妊娠の継続を希望する場合は,厳重な管理が必要である.
20歳のEisenmenger症候群の女性の妊娠分娩を報告する.4カ月時に心室中隔欠損と診断され,15歳時にEisenmenger症候群と診断された.妊娠24週で心疾患と妊娠分娩の管理を目的として入院し,36週で帝王切開により男児を出産した.分娩後,血栓予防として抗凝固療法を行い,酸素投与下で厳重な状態観察を行い,軽度の肺出血以外の合併症なく,退院することができた.従来の報告例とあわせて,母体死亡率の変化・妊娠分娩の際の管理について考察する.