心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第14回心臓性急死研究会 治療抵抗性の頻脈性不整脈を合併した多発性筋炎の2例
伊原 喜子樗木 晶子小池 城司江頭 健輔久保田 徹竹下 彰
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 34 巻 Supplement3 号 p. 34-41

詳細
抄録

多発性筋炎は,その約50%から70%に心電図異常を認めるとの報告があるが,多くは無症候性と言われている.全症例のうち心不全症状を来す例は約10%,心筋症様の病態を呈する例は約2%という報告がある.また,心不全,心筋症様の病態を呈す群は重篤で,治療抵抗性であるとされている.
我々は,多彩な不整脈および心不全症状を認め,心筋障害を認めた多発性筋炎の2例を経験した.1例は,アミオダロンを初めとする抗不整脈薬が無効な上室性および心室性不整脈を認め,治療に難渋した.1例は,非持続性心室頻拍,心房粗動,心房細動を認めているものの,これまでに持続性心室頻拍の出現は認めていない.全身状態の経過と併せて,心不全や不整脈の予防的な治療が必要と考えられた.

著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top