心臓
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第13回 頻拍症カンファランス 心房細動における易血栓性:心房内皮細胞の視点から
山下 武志
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2005 年 37 巻 10 号 p. 889-893

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抄録
心房細動治療において血栓塞栓症予防は重要な意義を占める. しかし, 数多くの疫学研究や大規模臨床研究が存在する一方で,「心房細動でなぜ血栓ができやすいか?」という根本的な疑問は解決されていない.心房細動における左房内血栓形成のメカニズムを考える上でもVirchow's triadは重要である.この3要素のうち,左心房内の血流の低下,血液凝固成分の異常については多くの臨床報告があるが,これら2要素のみではすべての血栓形成を説明することは不可能である.近年,心房細動によって心房内膜障害が形成されるという報告がなされつつあり,心房細動による血栓形成の機序を考える上でも, また新しい治療を考える上でも注目に値する所見である.
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