心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第2回 不整脈薬物治療フォーラム 慢性心不全患者における心房の電気的リモデリングに対するアンジオテンシン変換酵素阻害薬の効果について
玉置 俊介三崎 尚之山田 貴久浅井 光俊牧野 信彦木岡 秀隆塚本 泰正佐野 文彦増田 正晴奥田 啓二松本 貴樹福並 正剛
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 37 巻 9 号 p. 789-790

詳細
抄録

慢性心不全患者におけるACE阻害薬の心房電気的リモデリングに対する効果を,左室駆出率40%未満の安定した慢性心不全患者63例を対象に検討した.患者登録時におけるACE阻害薬投与群(47例)とACE阻害薬非投与群(16例)の患者背景に相違は認められず,3年間のフォローアップ後に,ACE阻害薬非投与群ではフィルター化P波幅の有意な延長が認められ,フィルター化P波幅はACE阻害薬投与群では非投与群に比べ有意に小さくなった.また,ACE阻害薬非投与群では投与群に比べて,心房細動の新規発症率が高くなる傾向が認められた.これらの知見から,ACE阻害薬が心房細動発症の基質となる心房線維化を効果的に抑制し,このことがACE阻害薬投与群における心房細動発症率の低下傾向に関与したと考えられる.

著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top