心臓
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HEART's Original [症例] 経僧帽弁的に切除し得た左室内脂肪腫の1治験例
相澤 啓坂野 康人齊藤 力三澤 吉雄
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2007 年 39 巻 10 号 p. 907-910

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抄録

症例は79歳の女性.肺炎のため近医入院中に行った心エコー検査で左室内腫瘍を指摘され当院紹介となった.心エコー検査では腫瘍は心尖部前壁側に位置する26×10mm大の可動性のある均一で高輝度なエコー像として描出された.MRIではT1,T2ともに高信号を呈しており明らかな心筋内への浸潤は認めなかった.術中心エコー検査でも腫瘍は左室前壁に認められ,心筋内への浸潤もなく,腫瘍も小さいことからsuperior trans-septal approachによる経僧帽弁的に切除可能であった.腫瘍は心内膜内に限局しており心筋内への浸潤は認められなかった.組織学的には腫瘍は脂肪腫であった.術後経過は良好で術後第14日目に退院した.

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