心臓
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HEART's Original [症例] 電気的除細動と肺静脈隔離術により洞調律を維持し心機能が著明に改善した心房細動による頻脈誘発性心筋症の1例
有川 亮二宮 雄一八反田 和美石田 実雅桶谷 直也市來 仁志奥井 英樹片岡 哲郎植屋 奈美平川 立身濱崎 秀一鄭 忠和
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2007 年 39 巻 10 号 p. 902-906

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抄録

症例は57歳,男性.2006年4月,夜間の起座呼吸が出現したため,近医受診,心房細動,高度の左室機能低下,肺うっ血を認め,即日入院.保存的加療で心不全は改善.心臓カテーテル検査を施行されたが,冠動脈に有意狭窄はなく,2次性心筋症をきたす基礎疾患も認められず拡張型心筋症と診断.心房細動に対しては,アミオダロン内服開始後,電気的除細動で洞調律化されたが,その後も心房細動を繰り返し,左室機能低下も遷延したため当科へ紹介入院.入院後,心房細動に対するカテーテルアブレーションによる肺静脈隔離術を施行.以後,再発はなく左室機能低下も徐々に改善し,心不全の出現もなく経過している.心房細動による頻脈誘発性心筋症に対し,除細動,肺静脈隔離術を行って洞調律を維持することにより著明な心機能改善を認めた症例を報告する.

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