症例は38歳,男性.生来健康であったが2007年6月朝,意識消失しているのを家人に発見され救急車が要請された.救急車内の心電図で心室細動を認めたため電気的除細動3回施行されるも洞調律には復帰せず,心配蘇生術を受けつつ当院救急外来へ搬送された.到着後,ニフェカラント使用後の電気的除細動にて洞調律へ復帰した.経皮的心肺補助装置を用いて循環動態を保ちつつ,原因精査目的で心臓カテーテル検査を施行したが冠動脈に明らかな狭窄病変は認められなかった.その後低体温療法を行ったが,呼吸・循環動態は悪化し入院後6日目で死亡した.
過去の健診時の心電図所見では4年の間に変動を認め,特に2004年時ではV1誘導において軽度のST上昇を認めた.突然死や意識消失の家族歴を認めなかったが,心電図の変動を示した突然死の症例を経験したので報告する.