心臓
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第20回 心臓性急死研究会 Refeeding syndromeの心病変の推移を観察しえた1例
田渕 晴名八木 哲夫滑川 明男石田 明彦山科 順裕住吉 剛忠佐藤 弘和櫻本 万治郎中川 孝佐藤 美佳
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キーワード: 虐待
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2008 年 40 巻 Supplement3 号 p. 10-16

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抄録

正常分娩,正常体重で出生した5歳,男児.意識障害と循環呼吸不全で搬送となった.低体温かつ体重7.7kgの極度低栄養で体幹中心に陳旧性傷跡を認めた.集学的治療を開始したが12時間後収縮期血圧50mmHgとなった.心電図I,aVL,V2~6誘導で単相曲線様ST上昇,その後II,III,aVF,aVR,V1でST上昇を認めた.心エコー上心尖部を中心に広範な左室壁壁運動低下(EF20%)を認めた.カテコラミン,硝酸イソソルビド,塩酸リドカイン,Vit B1,Mg,Pで加療した.ショック離脱後,ST変化は徐々に基線に戻り左室壁壁運動も改善した.第9病日にII,III,aVF誘導でT波陰転化とQTc延長,第19病日にT波は陽転化した.Refeeding syndromeの心病変についての詳細は明らかではなく,報告する.

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