心臓
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臨床 広範囲の刺激生成異常および伝導障害としてのいわゆるSick Sinus Syndrome
心室ペーシング治療例の検討
鶴羽 義明一ノ瀬 進立石 昭三浜本 康平高木 誠
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1974 年 6 巻 13 号 p. 1819-1826

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抄録
いわゆるSick Sinus Syndrome(SSS)は決して洞結節だけの障害による疾患でなく,心房筋,房室結節さらにはそれ以下にも波及する広範囲の病変を伴うものが少なくなく,より広範囲の刺激生成異常と伝導異常を伴う疾惠として理解される傾向にある.こういつた意味でのいわゆるSSSと考えられる9症例について,全例に心室ペーシングによる治療を行なった.それら個々の症例について,心室ペーシソグが適当であると考えた診断的根拠を検討したが,全例に房室伝導障害または房室結節以下の下位中枢の刺激生成障害が認められた.また,心室ペーシング治療後の経過は順調で,失神発作や心不全症状は全く消失したが,発作性の上室性頻拍性不整脈のコントロールはほとんど不可能であり,薬物療法の併用を必要とした.これらの症例について検討を加え,いわゆるSSSの考え方について論じた.
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