心臓
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臨床 急性心筋硬塞症に対する緊急冠状動脈バイパス術
黒沢 博身上原 吉三郎金 万有丁 栄市
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1974 年 6 巻 13 号 p. 1827-1839

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抄録
急性心筋硬塞症4例に緊急大動脈冠状動脈バイパス術を行ない,全例経過順調であるが術後2例にgraft閉塞を認めた.graft開存例の1例は硬塞の拡大を阻止し,きわめて効果的であった.他の1例にも左室機能の改善がみられた.grgft閉塞例のうち,大動脈基部バルーン法を施行した例で左室拡張終期圧の改善がみられたが,他の1例は変化なかった.
急性ら筋硬塞に対する緊急冠状動脈バイパス術は適応を厳選すればきわめて効果的であり,臨床経過,心電図,血清酵素活性値,左室機能上著明な改善が得られる.
また,血清酵素活性饐の推移よりみて,体外循環下冠状動脈バイパス術は心筋障害をもたらさない。
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© 公益財団法人 日本心臓財団
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