心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
症例 多産婦のFallot四徴症の1例
尾上 保夫森本 和大鈴木 五郎太田 宏堀 豪一
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 7 巻 1 号 p. 95-100

詳細
抄録

現在50歳の女性で,小学校の頃よりチアノーゼ,clubing,運動時の呼吸困難,Squattingがあったが,23歳で結婚し,30歳までに6回妊娠し,そのうち自然分娩で4人の正常児をえた.40歳以後,労作時の疲労,呼吸困難が強くなり,48歳の時,Fallot四微症の診断でブラロック吻合術を施行した.術後約1ヵ月間は酸素療法と臥床安静を必要としたが,6カ月後には症状は術前より,はるかに改善された.Fallot四徴症で手術をせずに2児以上の生児を分娩した報告はなく,本例はきわめてまれな症例と考えられる.

著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top