1975 年 7 巻 1 号 p. 95-100
現在50歳の女性で,小学校の頃よりチアノーゼ,clubing,運動時の呼吸困難,Squattingがあったが,23歳で結婚し,30歳までに6回妊娠し,そのうち自然分娩で4人の正常児をえた.40歳以後,労作時の疲労,呼吸困難が強くなり,48歳の時,Fallot四微症の診断でブラロック吻合術を施行した.術後約1ヵ月間は酸素療法と臥床安静を必要としたが,6カ月後には症状は術前より,はるかに改善された.Fallot四徴症で手術をせずに2児以上の生児を分娩した報告はなく,本例はきわめてまれな症例と考えられる.