心臓
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症例 特発性右房拡張症
大中 正光田中 孝石原 義紀川瀬 光彦大家 他喜雄
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1975 年 7 巻 5 号 p. 604-611

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抄録
特発性右房拡張症は従来より先天性であろうと考えられていたが,その確証は得られていなかった.
われわれは10カ月男子と46歳男子の2例の巨大な右房瘤を呈する特発性右房拡張症を最近経験し,その手術的治療に成功した.いずれも発作性頻脈を主訴とし,46歳例ではおよそ20年前より通常の胸部X線撮影で心拡大を指適されていた.
この疾患はまれなものであり,また,心拡大と症状の発現が一致せず,巨大な右房瘤にもかかわらず無症状に経過するものがあるため,手術適応が決めにくい点がある.われわれの症例も含めてこれまで文献上11例が手術ならびに剖検で確められている.
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