心臓
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7 巻, 5 号
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  • Gordon K. Moe, 平岡 昌和
    1975 年 7 巻 5 号 p. 531-538
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    1974年10月18日,東京での“心臓生理の集い”における講演より集録したもの.この研はAmerican Heart Association と Central New York Heart Association の援助に基づくものである.
  • 簡 瑞祥, 赤司 俊二, 森 彪
    1975 年 7 巻 5 号 p. 539-545
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    先天性心疾患児の発育が遅延することは良く知られているが,その成因については種々の論議がある.1歳から11歳までの先天性心疾患児19名に対してInsulin 負荷試験による成長ホルモン(GH)の動態およびTRH(Thyrotropin Releasing Hormone)負荷試験による甲状腺刺激ホルモン(TSH)の動態を検索した.その結果左-右短絡群では対照群に比しGHの分泌が明らかに低下していた.チアノーゼ群では対照群に比してGHの分泌がやや亢進している傾向が見られた.
    発育障害のある群はない群に比べてGHの分泌低下の傾向が見られた.心疾憲児の発育障害に対してGHが何らかの形で開与していることが考えられ,今後の検討が必要であろう.
  • 山下 淳平, 岡村 宏, 細井 靖夫
    1975 年 7 巻 5 号 p. 546-559
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Fallot四徴症根治手術の成績は近年著しく向上し安全性も高まり,適応も拡大されてきている.れわわれが昭和49年2月28日までの単純超低体温法による5歳未満Fallot四徴症根治手術例は142例(中極型10例),死亡19例,死亡率13.3%である.今回はこれら5歳未満例について,手術適応,病態の進展度,術中管理法,術後の管理面など種々の問題点についてわれわれの成績を中心に検討し報告した.
    PSの程度および部位では弁狭窄とロー卜部狭窄合併例が107例と最も多く,ロート部狭窄高度例は臨床的に重篤であるがPSの除去は容易である.術後1ヵ月の心カテ成績ではRV/Ao圧比,平均50%前後で早期に正常化の傾向がみられた.単純超低体温法管理での血液希釈,とくにHb 18g/dl,Ht値60%以上例での脱血希釈の意義と必要性についても論及し,この際の血液酸-塩基平衡,血清電解質の変動を呈示した.死亡例についても,その因子を分析し,術後管理の成績についても検討報告した.
  • 鼠尾 祥三, 唐原 優, 仲田 清剛, 津田 司, 沢山 俊民
    1975 年 7 巻 5 号 p. 560-566
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    間歇性左脚ブロック5例において,心機図法による左心時相と左心機能の変動を正常伝導時と左脚ブロック時の両者で比較検討した。
    左脚ブロック時には,駆出前期PEPは全例著明に延長し,左室駆出開始の遅れを認めた.しかし駆出前期の構成成分すなわち変容期Q-Cと等容収縮期ICTのうち,後者は全例で延長を示したが,前者は2例で延長2例で不変と左室収縮開始は一定しなかった.これらのことは左脚ブロック発生の部位の差―遠位部か近位部か―との関連が示唆される.左脚ブロック時に等容拡張期IRTは全例有意な延長を,駆出時間ETは4例で有意な短縮を認めた.また2例でA波率が増大,2例で立ちあがりslopeが緩徐になり,1例で収縮期bulgeが出現するなど左心機能低下を示唆する成績が得られた.左脚ブロック例と対比のため右室ペーシングを行なった例では,ペーシング時ICTは不変でQ-Cは延長した.
  • 田中 二仁, 平塚 博男, 松本 学, 河村 剛史
    1975 年 7 巻 5 号 p. 567-573
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    ブタ大動脈弁を用いたbioprosthesisであるCarpenier-Edwards Mounted Xenograftによって,7例に弁置換術を施行した.僧帽弁置換5例,三尖弁置換2例である.手術死亡が2例あり,生存した5例を最長15カ月,平均8.5力月間観察した.拡張期ランブルを高頻度で聴取するが,弁機能不全は1例もなく全例が満足すべき経過をたどつている,心筋の状態,自己循環への移行の難易,術後回復の速度は有症期間の長短に相関する.術中,保存液を洗い流す作業をするとき弁尖の開閉状態を観察して異常の有無を確認し,縫着中は乾燥させないよう注意すべきである.移植に先立って,抗生物質溶液などに浸すことは避けるべきである.
    Carpentier自身の6年遠隔では,弁機能良好のものが83~85%,弁尖の穿孔による再弁置換が4~5%である.
  • 武藤 紀男, 樋熊 紀雄, 田村 康二, 深瀬 真之
    1975 年 7 巻 5 号 p. 574-580
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は40歳の男子で,死亡7年前に右肺に異常陰影を発見され,肺結核として治療を受けた.当時無症状で,喀疾の結核菌は陰性だった.約5年後,左前胸部の痺痛発作があり,心タンポナーデの状態で入院した.
    心電図はlow voltage,II,III,aVFでP波増高,全誘導でT波平低をみた.心包液の細胞診では,腫瘍細胞は陽性ないし陰性と一定しなかった.入院1年後,呼吸困難,咳〓が強まり,心陰影の縮小がみられた.
    右心カテーテル法所見では,心内圧は呼吸性変動が著しく,肺動脈楔入圧は吸気で2/-2mmHg,右室の拡張末期は16mmHgであった.右室内圧曲線は,拡張早期dipとそれに続く平坦部の波型を示した.
    その後症状は増悪の一途をたどり,心包炎をおこしてから1年4カ月で死亡した.剖検では,原発巣は右肺S3の瘢痕癌であり組織像は腺癌であった.心外膜は腫瘍転移のため硬く肥厚し,転移は一部心筋に及んでいた.
  • 川越 栄, 橋本 啓一, 早川 弘一, 木村 栄一
    1975 年 7 巻 5 号 p. 581-586
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    52歳女性.18歳頃からまれに頻脈発作あり.1968年11月14日Adams-Stokes発作を生じ入院 入院時,心電図は完全房室ブロックを呈し心拍数毎分27であった.
    Adams-Stokes発作に対しlsoproterenolを投与したところ,QRSのリズムと無関係な2種類の心房興奮を示す波の出現をみた.1つは第1誘導て上向きの小さな波で,その間隔はほぼ一定(0.60秒)し,洞性Pと推定した.他は同じ誘導で下向きの大きな波で,左房性興奮と考えられ,始め毎分300の頻拍(心房粗動もしくはatrial tachysystole)を呈したのち,不規則に散発した.その後,PATおよびPAT with blockを示したのち,洞リズム(そのさいの波形は著明な左軸偏位を伴う右脚ブロック)にもどり退院.約2カ月後,ふたたび完全房室ブロックによるAdams-Stokes発作を起こしたため,demand型pacemakerを装着したが,1969年6月12日急死した.
  • 小出 直, 諸岡 成徳, 杉下 靖郎, 井上 修二, 佐々木 康人, 安田 寿一, 村尾 覚
    1975 年 7 巻 5 号 p. 587-591
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大酒家に生じた心筋症の2剖検例を報告した.
    症例はともに心房細動で始まり,進行性の慢性心不全に陥って死亡し,剖検で著明な全心腔拡張を認めた.
    組織学的には1例では,間質線維症が認められたが,7年間の断酒後に死亡した1例では原発性の心筋異常を示唆する所見が認められなかった.
  • 加藤 セツ子, 佐藤 磐男, 青木 久三, 吉田 慎二
    1975 年 7 巻 5 号 p. 592-599
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    前胸部絞扼感を頻回に訴える汎発性黒子症候群の35歳の男子,心電図上広範囲なST降下,巨大陰性T波,異常q波を認め,収縮期雑音,心房音の亢進があり,心機図で著明なa波の出現,左室拡張末期圧の軽度上昇を認めた.また左室造影で左室腔の形態異常,不均一な収縮を示し,冠状動脈写で左右冠状動脈は正常より太く,血流は豊富であり,心筋症を合併すると診断した症例を報告する.
    現在までに汎発性黒子症候群は73例の報告があり,そのほとんどが心異常を合併している.その所見は家族性閉塞性心筋症の概念と一致するとされ,色素沈着異常と心臓異常を合併する汎発性黒子症候群の原因は神経冠由来の色素細胞に含まれるTyrosinの代謝過程でのMelaninとEpinephrineの異常に求められているが,本症候群に合併する心疾患の病態究明により,心筋症の本態が明らかにされることが期待される
  • 早渕 尚文, 吉村 恵, 藤井 恭一, 重見 運平, 加藤 允義
    1975 年 7 巻 5 号 p. 600-603
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    72歳の男性の肺癌剖検例で,偶然認められたsingle coronary arteryの1例を報告した.
    本奇形は冠状動脈の数の異常であるが,われわれの症例では右冠状動脈の開口部が欠損し左冠状動脈は太く3分岐しており硬化性病変が著明であった.
    その他の奇形は全く認められなかった.死亡前の心電図で前壁硬塞が疑われたが,心筋は高度の肥大を認めるのみで硬塞などは認められなかった.
  • 大中 正光, 田中 孝, 石原 義紀, 川瀬 光彦, 大家 他喜雄
    1975 年 7 巻 5 号 p. 604-611
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    特発性右房拡張症は従来より先天性であろうと考えられていたが,その確証は得られていなかった.
    われわれは10カ月男子と46歳男子の2例の巨大な右房瘤を呈する特発性右房拡張症を最近経験し,その手術的治療に成功した.いずれも発作性頻脈を主訴とし,46歳例ではおよそ20年前より通常の胸部X線撮影で心拡大を指適されていた.
    この疾患はまれなものであり,また,心拡大と症状の発現が一致せず,巨大な右房瘤にもかかわらず無症状に経過するものがあるため,手術適応が決めにくい点がある.われわれの症例も含めてこれまで文献上11例が手術ならびに剖検で確められている.
  • リウマチ熱,リウマチ性心疾患,先天性心疾患その他の小児心疾患の内科的治療基準設定に関する厚生省研究班
    大国 真彦, 木村 義民, 草川 三治, 塩川 優一, 寺脇 保, 本間 光夫, 小田 禎一, 森 忠三, 渡辺 言夫, 川島 康生, 松尾 ...
    1975 年 7 巻 5 号 p. 612-616
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 松田 幸次郎
    1975 年 7 巻 5 号 p. 617-623
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 早川 弘一
    1975 年 7 巻 5 号 p. 624-632
    発行日: 1975/05/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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