心臓
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臨床 ネフローゼ症候群の運動負荷心電図
池田 孝之杉本 恒明
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1975 年 7 巻 6 号 p. 674-678

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抄録
ネフローゼ症候群について運動負荷による心電図変化を検討した.
対象は15歳から35歳までのネフローゼ症候群18例で男性3例,女性15例であった.平均血圧122.2/72.4 mmHgで,全例血中尿素窒素,クレアチニンは正常であつた.血清タンパク,血清コレステロール,血漿フィブリノーゲン,Hctを測定し,Masterの二重運動負荷を行なった.
本症候群18例中負荷により,T波の逆転のみを呈したのは7例(38.9%),ST低下をきたしたものは7例(38.9%)で,計14例(77.8%)に心電図異常を認めた.年齢と罹病期間に関しては,年齢が高く罹病期間の長いもので心電図異常を高頻度に認めたが,一定の傾向はなかった.ステロイド投与の有無および血清タンパク,血清コレステロール,血漿ブイブリノーゲン,Hctの諸値と心電図異常との間に関係は認められなかった.
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