心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
研究 先天性心疾患における右心耳の形態的変化
吉武 克宏松尾 準雄永沼 万寿喜小池 一行清水 興一森川 征彦岡田 了三
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 9 巻 3 号 p. 195-200

詳細
抄録

先天性心奇形の右心耳の形態的変化について手術操作が加えられていない剖検心を対象に調べた.右心耳の形態を次の5つに分類した.1)右心耳の前稜線が大動脈を軽く包みながら前方に走る型(I型).2)前稜線が上大静脈入口部付近で屑をいからせたように挙上する型(II型).3)右心耳の先端が前方から圧縮されたような型(III型).4)前綾線が肩を垂れたようにト垂する型(IV型).5)右心耳が大血管の左へ位置し左心耳と並ぶ型(左側並列心耳),
I型は正常心,心室中隔欠損症,II型は完全大憩照転位症,III型は部分的大血管転位症(両大血管右室起始症およびTaussig-Bing奇形)II型は,心内膜床欠損症,左側並列心耳は大甑管転位を伴う複郵心奇形にそれぞれ特徴的に多く見られた.
次にこの右心耳の形態学的変化の発生機転について解剖学的および胎生学的に検討を加えて見た.

著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
次の記事
feedback
Top