抄録
1.トマトを対象に,ガク側を下にローラーピン搬送装置に供給し,反転実験を行った結果,ガク認識は確実に行うことが可能で,約80%の成功率を得た.これより,本装置は全面計測を行うための機構として利用できると考えられた.ただし,小階級の果実は大階級に比べて,その形状より成功率は低くなった.
2.傷害をもつトマトを対象に,6台のカラーTVカメラならびに果実の反転機構を有する選別システムにおいて,傷害の等級判定実験を行った結果,人間の選別作業で得られる等級にほぼ近い判定が実現できた.実際の運用に向けては,反転角度のばらつきによってガク面の傷害計測結果が変動することより,反転精度およびガク面の傷害計測処理精度の向上が望まれた.