植物環境工学
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論文
蛍光による生葉に含まれるビタミンB2の非破壊検出
佐々木 和哉与語 健太郎山口 堅三齊戸 美弘福田 光男
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2011 年 23 巻 4 号 p. 152-158

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抄録
モロヘイヤの葉中に含まれるビタミンB2を非破壊かつリアルタイムで検出することを目的として, UV-LED光をモロヘイヤに照射し, モロヘイヤから発生する蛍光観測可能な光学系を構築した. その結果として, 以下の結果を得た. 本測定法では, モロヘイヤから蛍光観察に要した時間は, 500 msであり, 従来の破壊検査法であるクロマトグラフィー法(数分から数十分)と比較しても非常に短時間の測定である. 本光学系では, リアルタイム計測も可能である.
1.モロヘイヤからの蛍光スペクトルで, 波長530 nmにピークを持つビタミンB2由来の蛍光を観測した.
2.紫外線障害が生じない励起光強度で最大の強度を320 μW mm-2と求め, 当該強度においても, 波長530 nmに蛍光ピークを持つ蛍光スペクトルを観測した.
以上のことから, 紫外光をモロヘイヤに照射することで, 生育過程中のモロヘイヤから非破壊かつリアルタイムでビタミンB2の検出を行えることを示した.
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© 2011 日本生物環境工学会
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