抄録
ダイコンスプラウトの養液栽培において,成長と品質に及ぼす超音波加振 (40 kHz; 0, 33.4, 78.9, 136.4 kPa) の影響を葉と茎の新鮮重量,ポリフェノール含有量とDPPHラジカル捕捉活性から検討した.その結果,根への超音波の加振による水分吸収の減少により1本当たりの茎と葉いずれの新鮮重量も減少した.しかし,1本当たりの総ポリフェノール含有量およびDPPHラジカル捕捉活性には影響を与えず,その結果,ダイコンスプラウト1 g当りの総ポリフェノール含有量およびDPPHラジカル捕捉活性が増加することがわかった.したがって,生鮮食品として考えると,抗酸化活性物質を高濃度で含むダイコンスプラウトを育成できるので,養液栽培時の根への超音波加振は有効な方法の一つであることが示された.