【症例】57歳男性
【既往歴】なし
【現病歴】201X年11月に便潜血陽性を指摘され201X+1年1月に前医で下部消化管内視鏡検査を施行したところ回腸末端にIpポリープを認めた。同年2月に精査のため小腸内視鏡検査を施行し、回盲弁から70mmの部位に20mm大のIpポリープを認めた。生検はGroup1 hyperplastic changeの診断であり経過観察の方針となった。201X+2年3月、小腸内視鏡検査にてIpポリープは25mm大と増大傾向を認めたため同年5月当院へ紹介となった。
【臨床経過】小腸造影検査を行ったところ回盲弁から72mm口側に43mmの長い茎を有するIpポリープを認め、頭部径は30mmで表面顆粒状を呈していた。小腸内視鏡検査にて生検を施行したが悪性所見は認めなかった。鑑別としては腺腫、過形成ポリープ、過誤腫性ポリープなどが疑われた。腫瘍は増大傾向にあり出血による貧血や重積に伴う消化管閉塞を生じる危険性を懸念して同年6月に腹腔鏡下小腸部分切除を施行した。小腸切除組織はPeutz-Jeghers type polypであった。口唇、口腔粘膜、皮膚の色素沈着や特記すべき家族歴はなく、小腸以外に過誤腫性ポリープは認めなかった。
【考察】Peutz-Jeghers type polypは比較的稀な疾患であり若干の文献的考察を加えて報告する。