食品衛生学雑誌
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Multiplex PCR法を用いた組換えトウモロコシ5系統からの組換え遺伝子の検知法
松岡 猛栗原 秀夫穐山 浩三浦 裕仁合田 幸広日下部 裕子一色 賢司豊田 正武日野 明寛
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2001 年 42 巻 1 号 p. 24-32

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抄録
我が国で食品, 飼料用として輸入可能な組換えトウモロコシ7系統のうち, 5系統からの組換え遺伝子の検知を, 既報のMultiplex PCR法に改良を加えて行った. ゲノムDNAの抽出は実験時間が短縮でき, 研究室・環境への安全性で優れているスピンカラムを用いる方法で行った. 組換えトウモロコシに導入されているDNA塩基配列を解析し, 各組換え系統とトウモロコシに内在的にあるzein遺伝子を1回のPCRで特異的かつ確実に特定でき, トウモロコシ, ダイズ, コメ, コムギ, オオムギに対してfalse positiveなバンドが見られないプライマーの設計を行った. 非組換え体に組換え体5系統を混合しMultiplex PCRを行うと, 各組換え系統に特異的な長さのバンドが観察できた. 本法による検知感度を非組換え体粉砕物に5系統の組換え体粉砕物を混合して調べたところ, 0.5%程度であった.
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© 2001 公益社団法人 日本食品衛生学会
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