食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
報文
稲に散布したフルトラニル,フェノブカルブ,シラフルオフェンおよびブプロフェジンの精米・炊飯における消長
佐藤 元昭坂口 将進小畑 雅一坂口 陽子谷澤 春奈三浦 由里佐々野 僚一中西 豊
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 44 巻 1 号 p. 7-12

詳細
抄録

栽培中にフルトラニル,フェノブカルブ,シラフルオフェンおよびブプロフェジンの4農薬を撒布した後に収穫した米,もみ中の残留農薬を分析したところ,残留濃度は表層で高く米の内部にいくに従って減少し,精米工程により,1/3~1/5に減少した.減少率はオクタノール/水分配係数(log Pow)の大きいシラフルオフェン,ブプロフェジンで高く,log Pow値の小さいフェノブカルブやフルトラニルでは米の内部に浸透する傾向が認められた.農薬がぬかに多く分布することから,白米と表面の微細ぬかを除去した無洗米とでは,無洗米の方が低い残留濃度を示し,炊飯による濃度の減衰は,玄米飯に比べて白米飯の方が同等もしくは大きい傾向を示した.

著者関連情報
© 2003 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top