食品衛生学雑誌
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調査・資料
ポリ塩化ビニル製玩具中の有機スズ化合物の分析
大野 浩之鈴木 昌子青山 大器三谷 一憲
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2003 年 44 巻 4 号 p. 208-212

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抄録

エチル誘導体化-GC/MSを用い,ポリ塩化ビニル製玩具47検体について9種の有機スズ化合物の分析を行った.ボール,ソフトトイおよび食物玩具34検体中,10検体からジオクチルスズ(DOT)化合物が,4検体からジブチルスズ(DBT)化合物がそれぞれ1.4~1,840 μg/gおよび35.2~527 μg/g検出され,同時にこれらのモノ体も検出された.おめんは13検体すべてからDOTやDBTなどのジアルキルスズ化合物が数百μg/g以上のレベルで検出され,主としてこれらの混合物が添加されていることが分かった.特に,毒性が高いDBTはボール1検体とパーティー用おめん4検体から527~999 μg/g検出された.

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© 2003 公益社団法人 日本食品衛生学会
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