食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
ノート
食品中のイソホロンの分析
佐々木 久美子田形 肇川上 宏之長崎 俊夫根本 了米谷 民雄
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 46 巻 1 号 p. 28-32

詳細
抄録

イソホロン(ISP)は天然樹脂,合成樹脂,ワックス,農薬製剤,塗料および印刷インクなどの溶剤として広く使用される化学物質である.そこで,ISPによる食品汚染実態を知るために,種々の食品93試料について調査した.試料に内標準として重水素化ISPを加え,水蒸気蒸留を行ってISPを捕集し,ジクロロメタンで抽出した後,シリカゲルカラムで精製し,GC/MSで測定した.ISPは魚介類,畜肉および野菜からはほとんど検出されなかったが,米,麦,豆類およびそれらの加工品である味噌,しょう油および納豆のすべてから検出され,最高値は味噌の8.9 ng/gであった.由来を明らかにするために,食品包装材中のISPを分析したが,ISPの濃度は低く,食品汚染の原因は明らかにできなかった.

著者関連情報
© 2005 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事
feedback
Top