食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
調査・資料
リンゴジュース中のパツリン分析の告示法評価のための複数機関による評価研究
小西 良子田中 敏嗣杉浦 義紹田端 節子中島 正博桜井 裕之中家 陽子佐藤 耕一木谷 裕亮藤田 和弘林 さち子飯塚 太由平川 佳則望月 直樹星野 まり子佐藤 吉朗高橋 尚美高鳥 浩介
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 46 巻 5 号 p. 224-227

詳細
抄録
リンゴジュース中のパツリン分析の告示法評価のために11機関による評価研究を行った.パツリン分析法は,AOAC法995.10の改良法を評価研究対象とした.すなわち,抽出・精製はAOAC法995.10に従い,溶離液の条件をアセトニトリル-水(4 : 96)として高速液体クロマトグラフィーで分析する方法である.試料として,パツリンを検出しないクリアタイプ,2種類の自然汚染リンゴジュースを用い,添加回収試験はクリアタイプのリンゴジュースに異なる2濃度のパツリンを添加して行った.自然汚染試料分析における併行再現性は,それぞれ3.2, 7.1%,室間再現性は10.0, 21.7% であった.HORRAT値も0.4~0.9であり,良好な値を示した.定量限界は10 μg/kgであった.添加回収試験から得られた平均回収率は 83.7% であった.これらの結果から,この方法はパツリン分析の告示法として妥当なものであると考えられた.
著者関連情報
© 2005 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top