食品衛生学雑誌
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LC/MS/MSによるトリカブトおよび食中毒原因食品中のアコニチン系アルカロイドの一斉分析
笠原 義正伊藤 健
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2008 年 49 巻 2 号 p. 76-81

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抄録

LC/MS/MSを用いてトリカブトおよびその中毒原因食品に含まれる4種のアコニチン類 (AC類) を一斉定量する方法を開発した.AC類を1 mmol/Lの塩酸で抽出し,Oasis HLBを用いて精製し,LCのカラムにはDevelosil ODS-HG-5を使用した.移動相は酢酸と酢酸アンモニウムおよびアセトニトリル-THF (1 : 3)によるグラジエントを行った.MS/MSの条件はESIポジティブモード,測定はMRMモードで行った.本法ではトリカブトからのAC類の回収率は93~99%で,検出限界は0.3~0.5 ng/gであった.食中毒原因食品からはジェサコニチンを除く3種のAC類が2.6~29.7 μg/g検出された.本法はトリカブトおよび食中毒原因食品のアコニチン類の分析に有用な方法である.

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© 2008 公益社団法人 日本食品衛生学会
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