食品衛生学雑誌
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カレイ中の異臭原因物質2,4-ジブロモフェノールおよび2,6-ジブロモフェノールの分析
田中 康夫高橋 京子細井 志郎日高 利夫中澤 裕之
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2009 年 50 巻 6 号 p. 292-296

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抄録

カレイ中の異臭原因物質2,4-ジブロモフェノール(2,4-DBP)および2,6-ジブロモフェノール(2,6-DBP)の簡便な分析法を確立するため,溶媒で直接抽出する方法を検討した.試料中の2,4-DBPおよび2,6-DBPをアセトンおよびn-ヘキサンで抽出して,抽出液中の夾雑物をできるだけ硫酸で除去した後,窒素気流下で濃縮してGC/MSで測定する方法を確立した.本法での回収率は,カレイの皮および筋肉で2,4-DBPが89.4~96.5%,2,6-DBPが81.4~86.2%といずれも良好な結果が得られたことから,本法は2,4-DBPおよび2,6-DBPの分析に適用できると考えられる.苦情品カレイの分析を行ったところ,2,6-DBPが皮から0.10 μg/g,筋肉から0.01 μg/g検出され2,4-DBPが皮から0.02 μg/g検出された.

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© 2009 公益社団法人 日本食品衛生学会
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