食品衛生学雑誌
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調査・資料
グァーガム酵素分解物を他の糖類と識別する方法の評価
秋山 卓美関口 若菜山崎 壮穐山 浩
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2013 年 54 巻 1 号 p. 71-74

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抄録
既存添加物グァーガム酵素分解物(EHGG)はガラクトマンナンであるグァーガムを酵素的に部分分解したものである.本研究では,ガラクトマンナンや多糖類の性質を利用した3つの試験法をEHGGと糖類の識別法に応用し,適用性を評価した.水酸基を多く持つ高分子多糖同士がホウ酸イオンを介して架橋されることでゲル化する性質を利用した方法により,ゲル化が見られたEHGGを,水溶性の低い多糖類ともゲル化しない水溶性多糖類とも識別することができた.ガラクトマンナンとグルクロン酸含有多糖であるキサンタンガムを混合するとゲル化することを利用した方法ではEHGGの粘性の増加は顕著でなかった.試料の10%水溶液に2-プロパノールを加えて沈殿を生成させる方法により,EHGGなどの水溶性多糖類を水溶性の低い多糖類とも沈殿しない単糖とも識別することが可能であった.
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© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
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