食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
ノート
福島県産イナゴの放射性セシウム量および福島県のイナゴ食文化の存続可能性
三橋 亮太水野 壮佐伯 真二郎内山 昭一吉田 誠高松 裕希食用昆虫科学研究会普後 一
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 54 巻 6 号 p. 410-414

詳細
抄録

福島県では福島第一原子力発電所事故が発生してから,イナゴの放射線汚染を懸念してイナゴ食(イナゴを採集し,調理して食べること)を楽しむ人が減少した.そこで2011年,2012年に福島県各地で採取したイナゴに含まれる放射性セシウムを測定したところ,134Csと137Csの合計放射能濃度は,最高で60.6 Bq/kgであり,2012年に設定された食品中の放射性物質の新たな基準値である100 Bq/kgを下回ることが示された.さらに,イナゴは一般的な調理過程を経ることによって,放射能濃度が15.8 Bq/kg以下,未処理時の1/4程度まで低下することが示された.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top