食品衛生学雑誌
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親水性相互作用クロマトグラフ–質量分析計を用いたアルコール飲料中の高感度プリン体分析
柿木 康宏吉岡 俊暁永富 康司宇山 敦生望月 直樹
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2014 年 55 巻 2 号 p. 110-116

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抄録

われわれはアルコール飲料中のプリン体含量を高感度かつ高い選択性で定量するため,試料を酸加水分解後,強陽イオン交換固相抽出カラムを用いて目的成分を精製し,親水性相互作用クロマトグラフ-質量分析計を用いて分離・検出する手法を開発した.各種分離条件を検討した結果,移動相にギ酸アンモニウム水溶液(pH 2.0)/ アセトニトリル混液,LCカラムにTSKgel Amide-80を用いたときに,最も良好なピーク分離,マトリックス効果の抑制,保持時間の安定化が実現した.また,抽出イオンクロマトグラム上に夾雑ピークは認められず,4種のプリン塩基(ヒポキサンチン,アデニン,キサンチン,グアニン)を高い選択性で検出することが可能であった.本法における標準添加検量線の相関係数は0.996以上,併行精度はRSD 8.4%以下,添加回収率は60~105%であった.また,検出限界は0.005 mg/100 mL以下であり,アルコール飲料中の微量プリン体の高感度分析が可能となった.

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© 2014 公益社団法人 日本食品衛生学会
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