食品衛生学雑誌
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超高速液体クロマトグラフィーによる健康食品中のスタチンの一斉分析
吹譯 友秀長谷川 貴志高橋 和長西條 雅明浜名 正徳
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2014 年 55 巻 2 号 p. 94-102

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抄録

超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)による健康食品中のスタチン12成分の一斉分析法を構築した.抽出は抽出溶媒として50%(v/v)メタノールを用い,超音波抽出法で行った.精製はOasis MAXミニカラムを使用し,溶出溶媒としてメタノールおよび0.2%(v/v)リン酸含有メタノールを用いた.UPLC分析のカラムはACQUITY UPLC BEH C18 を用い,0.2%(v/v)リン酸水溶液 – アセトニトリルのグラジエントで分析を行った.添加回収試験の結果,回収率は89.2~100.9%,併行精度と室内再現性は7%以下であり良好な結果を示した.本法を市販の健康食品24製品に適用した結果,ロバスタチンが最大4.85 mg/ 包,ロバスタチン酸が最大1.28 mg/ カプセル検出された.他の成分は検出されなかった.1製品について,製品表示どおりに摂取するとロバスタチンの1日摂取量が6.74 mgとなった.当該製品はロバスタチンの1日最小薬用量10 mgの1/2を超えて摂取することになることから,当該製品を摂取することによる健康への影響が懸念される.

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© 2014 公益社団法人 日本食品衛生学会
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