食品衛生学雑誌
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ガスクロマトグラフ質量分析計による柑橘類中の防黴剤の同時分析法
長島 英夫 平尾 あき帆徳田 優樹宇留田 久美子
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2016 年 57 巻 4 号 p. 101-106

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抄録

柑橘類について7種類の防黴剤ジフェニル(DP),オルトフェニルフェノール(OPP),ピリメタニル(PYRI),チアベンダゾール(TBZ),イマザリル(IMZ),フルジオキソニル(FLUDI),およびアゾキシストロビン(AZO)について簡易なガスクロマトグラフ質量分析計による同時定量法について検討した.試料はアセトニトリルで抽出し,グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル固相抽出カートリッジに負荷し,アセトニトリル–トルエン(3 : 1, v/v)で溶出した.0.5 μg/mLのトリフェニレンを内標準としてマトリクス添加法により,GC-MS測定した.ミカンに添加した0.01~10.0 μg/gの範囲での回収率はOPP,PYRI,TBZ,IMZ,FLUDIおよびAZOについて70.8~104%であり,定量限界は0.01 μg/gであった.同じくミカンに添加した0.01~70.0 μg/gの範囲での回収率はDPについては70.8~80.4%であり,定量限界は同じく0.01 μg/gであった.

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© 2016 公益社団法人 日本食品衛生学会
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