食品衛生学雑誌
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固相抽出を用いたHPLCおよびLC-MS/MSによる食肉中のニコチン酸およびニコチン酸アミド分析法の改良
比企 麻子山嶋 裕季子 植松 洋子
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2016 年 57 巻 4 号 p. 96-100

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抄録

食品中のニコチン酸(NA)およびニコチン酸アミド(NAA)の分析法について検討した.抽出はアスコルビン酸およびの分析法を参考にメタリン酸水溶液を用いた.精製は弱陽イオン交換-逆相ミックスモードのOasis MCXを用い,測定はHPLCおよびLC-MS/MSにより行った.分析カラムには両イオン交換型マルチモードODSのScherzo SM-C18,移動相には20 mmol/L酢酸アンモニウム水溶液–アセトニトリル(97 : 3)を用い, HPLC UV 261 nm,LC-MS/MSはMRMモードにより検出した.1~25 μg/mLでの検量線の直線性は相関係数0.998以上,回収率はHPLCで84~108%,LC-MS/MSで79~105%, CV値は5.8および9.0%以下であった.定量下限値はNAで0.005~0.01 g/kg,NAAで0.01~0.02 g/kgであった.従来法で分析した実試料中のNAAは,本法での結果と近似した値であった.

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© 2016 公益社団法人 日本食品衛生学会
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