食品衛生学雑誌
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高タンパク食品中の酸性タール色素分析:種々の食品における抽出・精製方法の検討
大須賀 愛幸 植松 洋子山嶋 裕季子藤原 卓士田原 正一宮川 弘之門間 公夫
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2017 年 58 巻 3 号 p. 160-165

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抄録

種々の高タンパク食品中の酸性タール色素分析について,抽出方法について検討した.かまぼこおよびはんぺんでは,1%アンモニア水に引き続くエタノール抽出の後,1%アンモニア水–エタノール混液(1 : 1), 1%アンモニア水–テトラヒドロフラン混液(1 : 1)の順で抽出を行った.ソーセージでは,併せて低温で遠心分離することにより,固形油脂を除去した.辛子明太子では1%アンモニア水–エタノール混液(1 : 1)で2回,さらに1%アンモニア水–テトラヒドロフラン混液(1 : 1)で抽出を行った.キサンテン系色素の精製にはジビニルベンゼン–N-ビニルピロリドン共重合体を用い,目詰まりしやすい試料では粒子径の大きいものを用いた.その他の色素の精製にはポリアミドカラムを使った.各色素を食品中5 μg/gになるように添加した場合,かまぼこ,はんぺん,ソーセージで76~102%,辛子明太子では,2検体の平均で45~98%の回収率であった.

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© 2017 公益社団法人 日本食品衛生学会
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