食品衛生学雑誌
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両イオン交換マルチモードODSカラムによるLC-MS/MSを用いた畜産食品中シロマジン分析法
奥富 幸林 洋松島 陽子大場 由実中川 由紀子小池 裕永野 智恵子関村 光太郎神田 真軌 橋本 常生
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2018 年 59 巻 5 号 p. 206-212

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抄録

畜産食品中シロマジンの高精度な分析法を開発した.本法には3つの特徴があり,1つめは2種類の溶液(メタノールとマキルベン緩衝液(pH 3.0))を試料種によって用法を変えて抽出すること,2つめは逆相–強陽イオン交換ミックスモードカラム精製の際0.14%アンモニア水で洗浄すること,3つめは両イオン交換マルチモードODSカラムでLC分離を行いMS/MSで測定することである.これらにより,5種類の畜産食品由来の成分の影響が小さく,絶対検量線での定量が可能となった.添加回収実験の結果,真度77.2~92.1%,併行精度2.2%以下,室内精度6.1%以下となり,妥当性ガイドラインの基準に適合した.実態調査の結果,生乳および鶏卵からシロマジンの残留が認められた.

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© 2018 公益社団法人 日本食品衛生学会
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