食品衛生学雑誌
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いわゆる健康食品からのデスカルボンシルデナフィルの同定及びPDE5阻害活性の評価
市川 瑶子 中嶋 順一吉川 晶子石澤 不二雄西山 麗岸本 清子植村 望美佐藤 美紀鈴木 仁猪又 明子中江 大東屋 功本田 克也守安 貴子
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2020 年 61 巻 1 号 p. 34-40

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抄録

ホスホジエステラーゼ5 (PDE5)阻害作用によるED治療効果を期待して,シルデナフィル類似化合物が配合された,いわゆる健康食品の発見事例が後を絶たない.デスカルボンシルデナフィルはシンガポールで男性の性機能向上効果をうたうコーヒーから初めて検出され,同定・構造解析された報告があったが,PDE5阻害活性を有するかは不明であった.健康食品試買調査において,都内販売店で購入した同種の効果をうたうカプセル状の製品を検査したところ,LC-UVおよびタンデム質量分析によりデスカルボンシルデナフィルと推定されるピークを検出した.これを単離し,LC-QTOF-MS,NMRおよび単結晶X線構造解析を行い,デスカルボンシルデナフィルと同定した.さらに,本物質のPDE5A1に対するIC50値を測定したところ,30 nmol/Lであった.本研究で得られたINADEQUATE NMRおよび単結晶X線構造解析の結果は,本物質の同定に有用な情報であるため,これを報告する.なお,本研究により本物質はPDE5阻害活性を有することが示されたため,本邦で医薬品成分として規制の対象となった.

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© 2020 公益社団法人 日本食品衛生学会
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