2021 年 62 巻 4 号 p. 113-118
畜産物中のアルベンダゾール代謝物(代謝物I)の分析法として,試料を塩酸酸性条件下で加熱した後,酢酸エチル–n-ヘキサン(1 : 1)混液で脱脂し,代謝物Iをアセトニトリルで抽出後,塩基性条件下で塩析し,スルホン酸塩修飾ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体カートリッジカラムで精製する方法を開発した.測定はLC-MS/MSを用い,イオン化はESI法(ポジティブモード)により行った.また,分析カラムはODSカラム(Inertsil ODS-4),移動相は0.05%(v/v)ギ酸および0.05%(v/v)ギ酸含有アセトニトリルを用いた.4種類の畜産物(牛の筋肉,牛の脂肪,牛の肝臓および牛乳)に対して代謝物Iを残留基準値濃度および定量下限値濃度(0.01 mg/kg)で添加し,開発した分析法により回収試験を行った結果,真度83.6~97.9%,併行精度1.6~6.1%の良好な結果が得られた.