食品衛生学雑誌
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調査・資料
乳幼児を対象とした乳製品中のアフラトキシンM1含有量調査
寺谷 清香 紀 雅美村上 太郎高取 聡
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2022 年 63 巻 4 号 p. 158-162

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抄録

育児用の調製液状乳は,常温で一定期間保存でき,育児負担の軽減や災害時の利便性から平成31年3月に国内での製造・販売が開始された.AFM1は発がん性を有するカビ毒であるアフラトキシンB1 (AFB1)の代謝産物であって,AFB1に汚染した餌を摂食した家畜の乳に含まれる.現在,調製液状乳はもとより乳児用粉ミルク(調製粉乳)では基準値が設定されておらず,乳児では体重あたりの乳製品摂取量が多いため,摂取量には留意が必要である.本研究では,乳幼児の摂取量の多い乳製品についてのAFM1含有量の実態調査を行った.調査の結果,検出された乳製品のAFM1は0.001~0.005 μg/kgとなり,これまでに報告されている乳製品中のAFM1と比較して,極微量であった.乳幼児の栄養は乳製品に依存し,成人より多く摂取する可能性が否めないため,継続して調査を行う必要がある.

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© 2022 公益社団法人 日本食品衛生学会
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