サプリメント利用による臨床検査値悪化の頻度を調べるため,全国オンライン調査を実施し,特に肝機能指標に着目して解析した.過去1年以内のサプリメント利用者73,010名の中で,臨床検査値の悪化者は0.5%,肝機能指標の悪化者は0.2%と推定された.臨床検査値の悪化は軽微なものが多いと推定され,その経験者のほとんどがその情報をどこにも報告していなかった.サプリメント利用による下痢や皮膚症状と比較すると,臨床検査値の悪化者は,男性の比率が高く,毎日の利用と長期間の利用が多く,利用製品が特定できない者の割合が高いという特徴があった.肝機能指標の悪化者は多くはなく,大部分が軽微と推定されるが,その影響を利用者自身では判断しにくいことから,利用製品名と利用状況を記録するという対応が重要である.