食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
合成樹脂製器具, 容器などの材質中揮発性成分の分析に関する研究 (第2報)
溶媒蒸気による塩化ビニルモノマーの気化抽出法の検討
馬場 二夫
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 18 巻 6 号 p. 504-508_1

詳細
抄録

硬質PVCを密閉した容器中で少量の溶媒を加えて加熱すると, 溶媒蒸気によって材質中に残留するVCMのガス化抽出が促進される. この現象を材質中VCMの定量前処理法として応用することを検討した. 操作の概要はPVC切片20~500mgを容量10mlの試験管に入れ, 溶媒 (例えばクロロホルム) 0.1mlを添加しシリコンゴム栓で密せんし, オーブン中で100°, 30分間加熱後試験管内のガスを素早くガスシリンジで採取し, GCまたはGC-MSによってVCMを測定する. 本法でのVCM測定値はTHF溶解法による測定値とよく一致した. この前処理法によればGCによっても材質中0.01ppmレベルのVCMが定量でき, 測定時間の短縮もできた.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top